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送り火 ある私鉄沿線の家族の物語 [本]

重松清著「送り火」を読みました。
短編集です。
短編の舞台が、東京の私鉄沿線ですが、明らかにモデルは京王線です。

自分は、子供から社会人の少しまで、京王沿線でしたので、
舞台が、物語が、より身近に感じ、話に引き込まれてしまいました。

表題にもなった「送り火」が、中でも一番感動しました。
昔賑わったが今は廃園となった遊園地脇の住宅街にひとりで住む母を、
自分たちと一緒に暮らそうと娘夫婦が説得に行くのだが、
この家が好きと断られる。
その思いのすれ違いから、娘の両親に対して抱いていた”誤解”が解ける。
「自分も楽しんで、家族も楽しんで、っていう」今の自分たちの考えに対し、
「家族を幸せにするために自分が苦労をする、そういうのがあたりまえだったんだっよねえ・・・」という両親の考えについても、初めて理解することができたのである。
そこは重松作品、後悔ではなく、夢の遊園地で初めて父母子3人で遊ぶシーンで終わる。

自分の子供の頃、いつもお菓子をいらないと言っていた母親は、
お菓子があまり好きでないと思っていました。
実は大好きだとわかったのは、いつだったでしょうか。

送り火

送り火

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/01/10
  • メディア: 文庫


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コメント 4

うーん、なかなか、装丁も素敵ですね。^^
by (2007-06-06 08:13) 

Chaya

素敵な内容ですね。
今度読んでみたいです。
by Chaya (2007-06-06 19:34) 

しおつ

一時期京王グループの社員でした。勤務地は高幡不動駅周辺。
電車通勤しなくなってから、本を読む時間が少なくなりました。
by しおつ (2007-06-06 21:25) 

読みたくなる作品ですね。
by (2007-06-08 09:30) 

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